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有限会社ケプストラム
プレスリリース : 従来技術・従来製品の性能の限界を超える高性能ハウリング・キャンセラの開発に成功 のページ

当社の研究開発の紹介の中のハウリング・キャンセラのページはこちら → ハウリングキャンセラの開発


従来の拡声装置/ハウリング対策製品と、開発したハウリング・キャンセラ付きの拡声装置の比較に関しては下記の資料をご覧ください.

拡声装置の性能比較 canceller_compare.pdf
拡声装置のマイクロホンの使い方 canceller_michowto.pdf

比較的やさしい説明

ハウリング・キャンセラを正しく理解するためのポイント canceller_point.pdf

技術的に詳しい解説は下記の資料をご覧ください.

howling_txt.pdf (テキスト/図表のみ)
howling_txt_data.pdf (無響室内での実験のオーディオ/ビデオ・データを埋め込んであります)

上記資料の27ページに「一般的な拡声システムのハウリング抑圧はいまだ技術的に困難?」とありますが、現在は拡声装置向けのハウリングキャンセラの実用上の問題点はすべて解決済みです.

その他の技術的資料

適応ハウリングキャンセラの基本原理 canceller_basics.pdf
適応ハウリング・キャンセラの特異な性質 canceller_sim.pdf (Scilabシミュレーション・プログラム sim6db.sce sim60db.sce
音場制御としてのハウリング・キャンセラ canceller_sound_field.pdf
音場制御としてのハウリング・キャンセラ(その2) canceller_sound_field2.pdf


プレスリリースに記載のあるハウリング・キャンセラの基本動作原理の実験用・研究用の実験ソフトウェアは、当社で販売しているCANCELLER SOFT/FAST DSP LIBのことです. CANCELLER SOFT/FAST DSP LIBの詳細は当社まで直接お問い合わせください.(→ dsp@cepstrum.co.jp

CANCELLER SOFT/FAST DSP LIBカタログ canceller_lib_catalog.pdf


開発者からのコメント

●中小企業でも出来ることはあります

 離散時間信号処理(デジタル信号処理)は本来厳密な数学的理論に基づくものです. 特にハウリング・キャンセラに用いている適応フィルタ(適応信号処理)はやや狭い独立した理論研究の分野の一つとして確立されています. 本来このような専門的研究分野において中小企業が寄与できる部分は皆無と言っても良いのですが、当社が例外的に適応ハウリング・キャンセラの開発・実用化に成功したのは以下のような理由が考えられます.

 離散時間信号処理の理論的取り扱いの前提となっているのはシステムの線形時不変性(線形性と時不変性)です. 適応フィルタは時間とともに特性が変化する(適応する)フィルタなので、本来は時変システムです. したがって厳密には時不変性が成り立ちません. しかし適応信号処理の理論では、その変化が十分に緩やかであるという前提のもとに、時不変性が成り立っているとみなしています. いささか矛盾しているように思われるかもしれませんが、時変ではあるものの、時変性が線形システムとしての理論的取り扱いを妨げるような悪影響を及ぼさないとしているのです.

 携帯電話のエコー・キャンセラに用いられている適応フィルタなどでは、このような線形時不変システムとしての扱いに問題は無いのですが、適応ハウリング・キャンセラでは少し事情が異なります.

 厳密には適応フィルタは時変なので、フィルタの時間的な特性変動のために微少ながらも歪みが発生します.(厳密な線形性が成り立たない) 適応ハウリング・キャンセラでは、拡声システムの利得が0dB(1倍)を越えた状態でフィードバックがかかっているために、発生した微小歪み(適応フィルタのバイアス要因)の累積が生じます. 微小ながらも、数十分・数時間というオーダーの時定数で累積した歪みは適応フィルタの収束特性に悪影響を与え、音質や安定性を劣化させます. 現時点ではフィードバックのかかった適応フィルタにおける歪み・バイアスの蓄積の問題は、きちんとした理論的取り扱いが極めて困難です. そのため、実験・観察によって得られた知見に基づいた対症療法的な改良・改善の工夫に頼って問題を解決するしかありません. それが中小企業でも適応ハウリング・キャンセラの開発で成果を得ることの出来た理由です.

 変化の激しいエレクトロニクス関連の分野において、大企業の研究所や大学の研究室では、なかなか先の見通しがたたないまま一回の試行に何時間もかかる実験を何年も続けることは不可能でしょう.

●ゴミ箱から拾ってきた教科書のコピーのおかげです

 学生時代に離散時間信号処理(デジタル信号処理)の授業で適応信号処理(適応フィルタ)を学んだことはありません. 当時は適応信号処理は最先端の研究分野で、大学の授業で取り上げられるようになる前でした. そのため、大学卒業後に専門文献で適応信号処理という言葉を見かけても、何のことだか分からずチンプンカンプンでした. 遅まきながら適応信号処理を勉強することになったのは、ゴミ箱に捨ててあった教科書(のコピー)を拾ってきたのがきっかけです.

 エレクトロニクス系の会社に就職して大学時代の専門である離散時間信号処理とは全く無縁の仕事をしていたのですが、長期休暇前の事務所フロアの大掃除の時に、不要廃棄文書入れのカゴの中に適応信号処理の教科書のコピー の束が捨ててあるのを見つけました. 同じフロアのお隣さんが通信系の半導体の開発をしている部門だったので、おそらくそこの技術者が処分したものでしょう. 中を見ると会社の研究所の蔵書印やシールも写っているので、研究所の図書室から借りた本のコピーだと思われます. 専門書では定評のあるPrentice Hallの本だったので、とりあえずゴミ箱(カゴ)から拾ってきて、会社の経費で簡易製本してもらいました. もっとも、内容が難しかったのと、仕事が忙しかったので、ほとんど読むことが出来ず、自宅の本棚に長い間放り込んだままになっていました. その後、会社を辞めて自分で仕事を始めてから、適応信号処理を学ぶ手がかりとなったのは、本棚に眠っていたこのコピーです.
会社のゴミ箱から拾ってきた適応信号処理の教科書のコピー
会社の研究所の蔵書印やシールも写っています
当時の自分の業務とはまったく無関係だったのですが、コッソリ会社の経費で簡易製本してもらいました
会社のゴミ箱から拾ってきた適応信号処理の教科書のコピー会社のゴミ箱から拾ってきた適応信号処理の教科書のコピー会社のゴミ箱から拾ってきた適応信号処理の教科書のコピー

有限会社ケプストラム
本プレスリリースURL http://www.cepstrum.co.jp/new_release/index.html
(技術的により詳細な資料もダウンロードできます)

本プレスリリースに関連して、マスコミ各社の方々へのハウリング・キャンセラのデモが可能です.(当社でのデモも、訪問デモも可能) 詳細は末尾に記載の担当者までお問い合わせください.
AES(Audio Engineering Society)日本支部2016年12月例会での発表/デモの実績があります.

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2016年10月24日
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従来技術・従来製品の性能の限界を超える高性能ハウリング・キャンセラの開発に成功
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有限会社ケプストラム(東京都多摩市連光寺2-33-1、取締役:山口 晶大、以下、ケプストラム)は、従来技術・従来製品の性能の限界を超える高性能ハウリング・キャンセラの開発に成功しました

■要点
・世界で初めて音量を下げずにハウリングを消すハウリングキャンセラの開発に成功
・携帯電話に使われているエコー・キャンセラの技術を応用
・従来の拡声装置/ハウリング対策製品の2倍〜3倍の音量でもハウリングしない
・中小企業だからこそ出来た5年以上にわたる丹念な実験の積み重ねの成果

■発表概要
○不快なハウリング
拡声装置の音量を上げた時に、キーン、ギャーという大音量の発振音が発生する不快な現象がハウリングです.
○現状のハウリング対策手法には限界
ハウリング・サプレッサー、フィードバック・サプレッサー等の名称で市販されているハウリング対策製品がありますが、これらは拡声装置の利得を1倍(0dB)よりも下げる動作をします. そのため動作の安定性は音量と引き換えになってしまいます. 指向性マイクロホンを用いたハウリング対策も可能ですが、効果と使い勝手に難点があります. いずれにせよ従来の拡声装置では、十分な拡声音量を維持したままハウリングを抑圧することは困難でした.
○過去のハウリング抑圧研究
長年の間、音響機器の専門家の多くは、拡声装置の利得(用語説明:1)が1倍(0dB)を越えると理論的な発振条件を満たすため、利得を1倍(0dB)よりも小さくしなければハウリング発生を防ぐことは出来ないと考えていました. 一方、携帯電話等に使われているエコー・キャンセラの技術を応用すれば、1倍(0dB)の理論限界とは係わりなくハウリング抑圧が可能であるという見解を持つ研究者もいましたが、限定された条件でのシミュレーション・レベルの研究があるだけで、実時間動作するハウリング・キャンセラの実現には至っていませんでした.
○最近10年間のハウリング対策研究の進展
近年の研究の進展により、エコー・キャンセラに用いられている適応フィルタ(用語説明:2)の技術を用たハウリング・キャンセラは、無響室(用語説明:3)内の実験ではハウリング抑圧が可能であることが実証されました. しかし、残響のある普通の部屋で動作するハウリング・キャンセラの研究は、音質等に問題を抱えた試作・実験レベルに留まっていました.
○5年以上にわたる当社のハウリング・キャンセラ開発の取り組み
適応フィルタを用いた製品開発の豊富な経験を有する当社では、最新の研究成果を元にハウリング・キャンセラに対する付加的な性能向上処理の手法と、その組み合わせについて検討をおこなってきました.
5年以上にわたる丹念な実験の積み重ねの結果、最も効果的な補助回路の組み合わせと、システム全体の最適な動作パラメータの設定値を見出し、実用となりうる性能を有するハウリング・キャンセラの開発に成功しました. 今まで適応フィルタを用いたハウリング・キャンセラの実用化を阻んでいた、音質や動作の安定性に関する技術的問題点をすべて解決することが出来ました.
○従来の拡声装置の2倍〜3倍の音量でもハウリングしない
開発したハウリング・キャンセラ付きの拡声装置では、従来の拡声装置の2倍〜3倍の音量でもハウリングは発生しません. より大きな拡声音量が得られるだけでなく、マイクロホンのセッティングの自由度、拡声装置運用の安定性が向上します. ハウリング発生の心配なく、安心して拡声装置を使うことが出来ます.

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発表概要の用語説明

1:利得
 拡声装置には、拡声利得と「回り込み」利得の2種類の利得が考えられます.(図1参照)
拡声利得は話者がマイクに向かって話した声が、聴衆のところでどれだけ大きく聞こえるかを示すものです. 通常、拡声利得は1倍(0dB)以上になります.(そうでなければ拡声装置を使う意味がありません)
 もうひとつの利得は、「回り込み」利得です. 「回り込み」利得はスピーカーから拡声された音声がマイク側に回り込んでくる経路の利得です. ハウリングに関する技術的な議論で出てくる利得は、「回り込み」利得のことです. 本文の以後の説明中の利得もすべて「回り込み」利得を指します.
 従来の拡声装置では「回り込み」利得が1倍以上(0dB以上)になるとハウリングが発生しますが、開発したハウリングキャンセラ付きの拡声装置では「回り込み」利得が大きくてもハウリングは発生しません.


図1 拡声装置の利得
http://www.cepstrum.co.jp/new_release/fig1.png

2:適応フィルタ
 適応フィルタ(Adaptive Filter)は、携帯電話のエコー・キャンセラなどに用いられているデジタル・フィルタです. 自動的に学習動作・適応動作をして、所望の最適フィルタ特性を実現可能です.
 ここで「学習」・「適応」と表現しているのは、過去のデータを利用した一種のフィードバック・アルゴリズム(適応アルゴリズム)を用いているという意味で、これらの単語を日常用語として用いる場合の人特有の知的な振る舞いを指しているのではありません. 人工知能、エキスパート・システムとも異なります. 
最も基本的な適応フィルタのアルゴリズム(適応アルゴリズム)は数式一行で記述出来ます.

3:無響室
 無響室は、楔状の吸音材で壁面を覆って、壁からの反射音を無くした音響実験室です. 外部からの音の侵入を防ぐ防音性能にも優れています.

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■ハウリング発生のメカニズム
 ハウリングは拡声装置の音量を上げると、キーン、ギャーという大音量の発振音が発生する不快な現象です. 図2に示すメカニズムでハウリングが生じます. スピーカーから出力された音声のマイクへの回り込みが繰り返されるので、あっという間に大音量のハウリングが発生します.


図2 ハウリング発生のメカニズム
http://www.cepstrum.co.jp/new_release/fig2.png
図2説明文
(1)マイクから入力した音声は
(2)増幅されてスピーカーより出力されます.
(3)スピーカーからの拡声音がマイク入力に回り込むと
(4)回り込んだ音もアンプで増幅されて、さらに大きな音がスピーカーから出力されます. スピーカーからの拡声音のマイクへの回り込みとアンプによる増幅は際限なくループして続くので、瞬く間に大きなハウリング音が発生します.

■ハウリング・キャンセラに応用されている、エコー・キャンセラの技術の仕組み
 適応フィルタを用いたハウリング・キャンセラは、現在すべての携帯電話に使われているエコー・キャンセラの技術をベースにしています. 電話では、自分の声が相手の電話機を経由して、会話をしにくくするエコー(音響エコー)となって聞こえてくることがあります. このエコーを無くすために、エコー・キャンセラが用いられています.
 エコー・キャンセラは適応フィルタを用いた推測回路により、エコー音の成分を自動的に推測し、引き算処理によりエコーを消去しています.


図3 エコー・キャンセラの仕組み
http://www.cepstrum.co.jp/new_release/fig3.png
図3説明文
エコー音(音響エコー)を自動的に推測する推測回路に適応フィルタを用いている
右側の図では引き算回路を(+)記号で表現している(入力信号の片方をマイナスしてから加算するので引き算になる)

■ハウリング・キャンセラの基本構成
 開発したハウリング・キャンセラの基本構成を図4に示します. エコー・キャンセラと同様に、推測回路を用いてマイクに入力された回り込み音を自動的に推測して、引算によりキャンセルしています. 推測回路の部分に適応フィルタを用いています.
 このような回路構成でハウリング・キャンセラを実現できるはずだと古くから指摘されていたものの、様々な技術的問題点があったために、無響室内の実験でのハウリング抑圧成功の報告があったのは10年ほど前のことです.


図4 ハウリング・キャンセラの基本構成
http://www.cepstrum.co.jp/new_release/fig4.png
図4説明文
エコー・キャンセラと同様の適応フィルタを用いた推測回路を用いている
図では引き算回路を(+)記号で表現している(入力信号の片方をマイナスしてから加算するので引き算になる)

■ハウリング・キャンセラの性能向上のための付加回路
 図4の適応フィルタを用いたハウリング・キャンセラの基本回路のままでは、音質や動作の安定性等の問題が生じるために、実用化にあたっては性能向上のための付加回路(複数)が必要となります. 付加回路には様々なものがありますが、その例をいくつか下記に示します.
 当社の開発したハウリング・キャンセラでは、これらの複数の付加回路を適切に組み合わせるとともに、最適な動作パラメータ設定をおこないました. 付加回路追加による音質や動作の安定性の向上の結果、実用レベルの性能のハウリング・キャンセラを実現することが出来ました.

○リミッタ回路
リミッタ回路は信号レベルを一定レベル以下に制限して、ハウリング音が無制限に大きくなることを防止します. 信号波形の変化の様子は図5右のようになります.


図5 リミッタ回路
http://www.cepstrum.co.jp/new_release/fig5.png

○周波数シフト回路、周波数変調回路
図6は周波数シフト回路と周波数変調回路です. いずれも入力信号の周波数を変化させて出力するのが特徴です. ハウリングが発生したときに、特定の周波数の信号レベルの増大を遅くして、動作の安定性を向上させる効果が得られます.
 周波数シフト回路は入力信号の周波数をシフトさせます.(周波数をずらす) 周波数変調回路は入力信号の周波数を変動させます.(ビブラートをかける)


図6 周波数シフト回路と周波数変調回路
http://www.cepstrum.co.jp/new_release/fig6.png

■ハウリングキャンセラのデモ機
 既存の拡声装置に取り付けて使用できるハウリングキャンセラのデモ機を製作しました.
周波数帯域は250Hz〜16kHzで、FM放送に相当する音質です. 音響機器メーカーの専門家や大学の研究者の方にもデモをご覧いただきましたが、大変好評でした.


図7 ハウリング・キャンセラのデモ機
http://www.cepstrum.co.jp/new_release/fig7.png
図7説明文
デモ機は低音処理部と高音処理部の2つのユニットで構成されています

■ハウリング・キャンセラなし/ありの比較実験結果
 開発したハウリング・キャンセラの性能を確認するため、デモ機を用いてハウリング・キャンセラなし/ありの比較実験をおこないました. 15秒間隔で利得を増やしながら拡声装置を動作させ、拡声装置のマイクの出力信号を観測しました. 使用した部屋は一般的なつくりのダイニング・キッチンで、マイク/スピーカ間の距離は2.5mです.
 図8がマイクの出力信号の波形です. 拡声装置の利得設定(スピーカーからマイクへの回り込み利得の設定)は、0〜15秒間は-3dB(0.7倍)、15〜30秒間は0dB(1倍)、30〜45秒間は3dB(1.4倍)、45〜60秒間は6dB(2倍)、60〜75秒間は9dB(2.8倍)としています.
 ハウリング・キャンセラなしでは、従来の安定動作の限界と考えられていた0dB(1倍)で若干動作が不安定となり、利得3dB(1.4倍)以上ではハウリングが発生します. ハウリング・キャンセラありでは、利得が9dB(2.8倍)でもハウリングは生じません.


図8 ハウリング・キャンセラなし/ありの比較実験結果
http://www.cepstrum.co.jp/new_release/fig8.png

音声データファイル(ハウリング・キャンセラなし)
http://www.cepstrum.co.jp/new_release/off.wav
音声データファイル(ハウリング・キャンセラあり)
http://www.cepstrum.co.jp/new_release/on.wav
ハウリング・キャンセラありでは、利得6dB(2倍)の条件に動作パラメータを設定しているので、適応フィルタの特性が安定するまで少し時間がかかっています.(30〜55秒ぐらいの間、少しキンキン声になっています)

■今後の展開
 当社ではデモ機を用いて様々な使用環境(部屋の残響特性)に応じた動作パラメータの最適値を探るとともに、市販向けの製品開発に取りかかる予定です.
 研究機関・教育機関向けの、ハウリング・キャンセラの基本動作原理の実験用・研究用の実験キット、実験ソフトウェアは製品化して出荷中です.

■開発者からのコメント
 離散時間信号処理(デジタル信号処理)は厳密な数学的原理に基づいたものですが、適応フィルタを用いたハウリングキャンセラでは理論の前提となる線形時不変性が成り立たちません.
 苦し紛れとしか表現しようのない、試行錯誤的な実験による細かい改良・改善の積み重ねで技術的に大きな成果を得ることが出来たのは、大変な幸運に恵まれたと言わざるを得ません. 動作の安定性の確認実験などは非常に長い時間(最低でも2〜3時間、場合によっては8〜10時間以上)を要するのには苦労しました. 音響系は特性の揺らぎ・変動が大きく、実験のたびに少しづつ異なる結果が出るのですが、繰り返し丹念に実験をおこなった甲斐がありました.

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2016年10月24日
有限会社ケプストラム(206-0021東京都多摩市連光寺2-33-1)
マスコミの方からの問い合わせ先 TEL (042)357-0621 担当:山口(E-mail dsp@cepstrum.co.jp
デモ機を用いたハウリング抑圧のデモ/実験実施に関してもお気軽にお問い合わせださい. 当社でのデモも、機材を持参しての訪問デモも可能です.

関連資料ダウンロード先 http://www.cepstrum.co.jp/new_release/index.html
(自由に引用可・再配布可・web等への転載可)


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