受信専用マグネチック・ループアンテナ

- モニタリング用途に適した受信専用のマグネチック・ループアンテナです. 当社ではハンディ・レシーバと組み合わせて無線モデム,RFID等の電波のモニターに使用しています.
- 構造は EMI 関連の測定機材として販売されている Faraday
shield を用いた磁界プローブそのものです.
- ゲインはありません.
- 同軸ケーブルを加工して簡単に製作できます. 構造は上図のとおりです. 左が対称型,中央が不平衡型です. モニタリング用途には不平衡型でもそれほど性能的に劣るところは無いようです.
- VHF・UFH帯の汎用受信アンテナとして使用する場合,ループの直径は
10cm〜30cm
30cm〜50cm
程度にすれば良いでしょう. 中波〜短波を中心に使用する場合はループ径を大き目にしてください.(注:VHF帯の下限ならば直径50cm程度でもO.K.ですが、UHF帯では過大なので記述を訂正しました)
- 図の open の部分は同軸の網組(シールド)を 1cm
程度カットします. 細いケーブルで小径のものを作る場合は、カットする部分の長さも小さくしてください.
- 非同調・非共振型のアンテナなのでループ径にかかわらず中波・短波〜VHF・UHF帯まで使用出来ます.(もちろん低い周波数では感度が低下します) 近くに強力な局がある場合は混変調を受けやすくなるので,アッテネータや(アンプ無し・パッシブ型の)プリセレクタ,BPFが必要となる場合もあります.
- 少なくとも今時のちゃんとしたメーカー製受信機(固定機)と組み合わせて使用する場合、プリアンプを併用する必要は無いはずです. アマチュアが適当に作ったプリアンプを使っても見かけの感度が良くなるだけで、かえってNF(Noise
Figure)や混変調特性が悪化します. 現在の高周波用半導体とそれを用いたメーカー製受信機の性能がどの程度のものか、ぜひ下記の資料をご覧ください.
- ハンディー・レシーバを自宅(固定)で使う場合などに,手軽に作れてそこそこの性能が得られます. ゲインはありませんが,竹竿や物干し竿などの先に取り付けて楽に地上高を稼げるので,その分パフォーマンス向上が期待出来ます. 遠距離受信を目的とした高性能アンテナではありませんから,気軽に作ってください.
- 水平面の指向特性は8の字形で,かなりシャープな null
があります(上図右).
同軸ケーブルを使った不平衡型マグネチック・ループアンテナの製作例
(ループの根本から上は写真よりはみ出ています)
ループの直径は約30cmで,TV用の75Ωの同軸ケーブルを使っています. この程度のケーブル長の受信用アンテナではインピーダンスのミスマッチは大した問題にはなりませんが,工作のしやすさからも50Ωの同軸ケーブル(3D-2V,5D-2V等)を使った方がよいでしょう. 写真の白色外皮のTV用75Ωケーブル(3C-FV)は絶縁体が非常に熱に弱いので半田付けには注意を要します.
フェライトコアはEMI防止用として家電量販店・パソコンショップなどでも販売されている,クランプ・オン型のものです.
同軸ケーブルの先端にはピンプラグ(RCAプラグ)を半田付けして,BNC変換アダプタを使って受信機のアンテナ端子(50Ω)に接続しています.
ループの根本部分の拡大写真
TV用の安物ケーブルなのでシールドの網組がかなり荒いです.
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まさしくループが大きいだけのEMI測定用磁界プローブです. 指向性があるのがメリットであり、デメリットでもあります. 状況に応じて無指向性のホイップアンテナと差し替えて、ハンディレシーバとともに使っています.
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使用したセミリジッド同軸ケーブルは 3D-6CT
です. 秋葉原の小柳出電気商会(オヤイデ)で購入しました.

アルミシャーシを使った対称型マグネチック・ループアンテナの製作例
様々な直径のループを交換出来るようにしてあります.(インピーダンスが低いのでコネクタの接触抵抗の影響が大きく,性能を考えるとこのようなループ交換式は好ましくありません) 写真の小型ループの直径は約15cmです.
ループの頂部が同軸のシールド(網組)を部分的に剥いてある部分です.(自己融着テープを上から巻いてあります)
アルミシャーシ内部の給電部の拡大写真
給電部根本の小型トロイダル・コアはソータ・バランですが,あってもなくてもほとんど違いはありません. 代わりに1:1の平衡・不平衡変換バランをつけたりしてみましたが,それでも性能に大きな違いは無いようなのでバランは不要でしょう.
バリコンをつけて同調型のアンテナにすることも出来ますが,このマグネチック・ループは手間をかけずに同軸ケーブルだけで作って,気軽に高いところに設置するのが一番似合っているようです. 同調型にするくらいなら,プリセレクタ/BPFを併用した方が良いでしょう.
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- 比較用のダイポール・アンテナ(あるいはグランドプレーンやディスコーン・アンテナ)と電界強度計や信頼出来るSメータのついた受信機を持っていないので,残念ながら厳密な性能測定はおこなっていません. 同じアンテナ高で比較した場合,VHF〜UHF帯では手持ちのハンディ・レシーバ付属のホイップ・アンテナ(右の写真)と較べると,ループ径30cmのマグネチック・ループの信号強度の方が少し良い程度です.
- 長波〜中波ではマグネチック・ループ(ループ径30cm)の方が圧倒的に高性能です. 左の写真のレシーバ(VR-500)には中波放送受信用のフェライト・バーアンテナが内蔵されていないので,付属のホイップ・アンテナをつけても鉄筋の部屋の中では中波ラジオ局は何も聞こえず,中波帯全域にわたってかなりレベルの大きいノイズがあります. 一方,マグネチック・ループでは,直径15cmの小型ループでも弱いながら中波局がよく聞こえます. とりわけノイズの少なさが大変印象的です.
- マグネチック・ループアンテナについての詳しい技術的解説は下記の資料をご覧下さい. 一番目の文献にはループの自己共振周波数についての記述もあります.
- トランジスタ技術(CQ出版)2005年7月号にもEMI測定用のマグネチック・ループアンテナの製作記事があります.(ここでご紹介したものとは少し異なる構成の製作例です)
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上の写真のハンディレシーバー
VR-500とパソコンとの接続用のインターフェース回路は簡単に作成可能です. フリーのデータ転送・編集ソフトを用いてパソコン上でチャンネル登録データの作成・修正が出来ます. VR-500用のインターフェース回路は同種のインターフェース(1ワイヤ双方向転送)を用いている他機種にも流用出来るはずです.